Home > Books > 晴読雨読

晴読雨読

2004年1月20日(火)23:55きとら[Books]

学校の書籍部で、春休みに読むための本をいろいろ買ってきました~。どうして今買うのかというと、大学生協で買うと、1割引になる書籍を含めて年度末に代金の2%を割り戻してくれるんです。そのためには今月末までにレシートを提出しなきゃいけないので(笑) 我ながら貧乏性だなぁ…(´`;)
ただ、冬休みに読んでおこうと思ってたのに部屋で積ん読状態になっちゃってる本がまだちらほらあるから、学期末の課題ラッシュをぬって読んでいかなくちゃ(´`)-3 絵描きなんだから絵描けって言われそうですけど、文章を書きたくなるのは文系学生の性ですので、どうかご容赦のほどを…。

あ、『不可触民と現代インド』(山際素男、光文社新書)はスキーオフ中に読了しましたっ。
不可触民(指定カースト、アウトカースト)っていうのは、インドの有名なカースト制度の最底辺に属する人々のこと。インドはカースト制度とヒンドゥー教の国だという教科書的な知識しか持ち合わせてなかったので、彼ら(数億人の)不可触民の悲惨な実態と社会進出、ヒンドゥー原理主義者の正体、仏教の復活と数千万人にものぼる仏教徒の増加―など、現地の実態を記したこのルポルタージュはいろんな意味で衝撃的でした。

あの酷暑のインドで、誰か”親切”なカースト・ヒンズー(上位カースト・ヒンズー)が気紛れに水を与えてくれるのを、井戸を遠巻きにして待ちつづけるしかない人びと。それに耐えきれず、泥水に手をつけ、疫病に罹る運命に耐えつづけるしかない人びとが”何億”(!)も何千年と存在してきている社会を当然の如く見過ごしているインド。
その姿を厳しく糾弾している書物、少なくとも日本の学者、研究者の書いた物には、インドに来るまで一度もお目に掛かったことがないし、今も無い!

インタビューと筆者の論がごっちゃになっていて散漫な印象を受けなくもないし、ボクとしては仏教のことよりかは不可触民についてもっとページを割いて欲しかったんですが、「IT」「経済成長」という名詞つきで語られることの多い現在のインドのもう一つの側面を知ることができたような気がしましたです。
小さい頃、親の本棚にあった椎名誠の『インドでわしも考えた』っていう本と写真を見て、「インドってよく分からないけどスゴいとこなんだなぁ」って感心した覚えがあります。山際氏の描くインド像と椎名氏の描くインド像はかけ離れてるけど、その土地はが他ならぬインド亜大陸であるっていう事実がすごく不思議で、魅力的。実際に行ってその地面に触れてみないと、その魅力も問題もとうてい分からない大陸なのかな。正月の同窓会にも来なかった友達のS君は、今も魔性のインドをぐるぐるさまよっているはず。


あともうひとつは、図書館で借りてきた 『敗北を抱きしめて』 で有名になった J・ダワーの 『人種偏見』 っていうちょっと古めの本。少し前に 『容赦なき戦争』 っていう、原題(War Without Mercy)に沿ったタイトルを冠した文庫本になりましたが。日本人の研究者はこういうソフトなタイトルはなかなかつけられないよなぁ~。本についての詳細はリンク先にてどうぞっ( ・ω・)ノ
名前を見てのとおりダワーは日本人ではないですけど、近現代史(特に日本やドイツのような敗戦国の)っていうのは、当時の体験や記憶や利害関係がその国の人々の間での冷静で客観的な議論を妨げてしまうことが多い繊細な学問でして、ダワーのように「外の」歴史家が重要な論文を書くことも意外と多かったりするんです。
それがそのまま、日本人のきとらがわざわざ世界史を勉強している理由になってくるんですが(笑) この本はところどころつまみ食いしてるだけなので、まだ通して読んでないなぁ(´`)