先に『THE 有頂天ホテル』のほうを観ました。事前に三谷幸喜氏ゲストの番宣を観ちゃったので、見どころはあらかじめ押さえてた…はずでしたが甘かった。
展開されるのは、プロセスの妙とも言うべき 緻密で緊張感のあるスラップスティック・コメディ。登場人物がかなりの数にのぼるのに、キャラクターがみな濃すぎです。演じる俳優も錚々たる顔ぶればかりなのに、いやらしさを微塵も感じさせないのが不思議。
キャストがキャストだけに前評判も高かったようですが、公開8日にして動員数100万人を突破したってニュースもうなずける話で。配役から時間軸までとことん計算しつくされた笑いが好きな方は、ぜひぜひ観てみてください♪ でもけっこう疲れます(笑
個人的には「くねくねダンス」をめぐる攻防がよかった(*´ω`)
んで、1時間後に『ホテル・ルワンダ』を鑑賞しました。イギリス・南アフリカ・イタリアの合同制作です。
2004年に制作された映画がどうして今頃いっせいに封切りされるに至ったのか、詳しい経緯はほかの記事・サイトに譲りますが(cf. 『ホテル・ルワンダ』日本公開を応援する会)、静かでしかし強いメッセージ性を帯びた作品でした。
現実に起こった事実があまりにも残酷すぎるからなのか、この映画の表面的な感想を書くのは少しためらってしまうのですが、暴力・戦闘シーンの表現を極力抑え(でも迫力ありました…)、あくまでも人間一人ひとり、あるいは家族を主役とすることで、より本質的な問題を抉ろうとする制作者の意図が伝わってきた気がします。
隣人同士がナタを手にとって殺し合った挙げ句、最終的に80~100万人にのぼる犠牲者が生まれるに至ったという事実からは、人間は生来弱い生き物であるがために、嫉妬、恨み、怒りといった負の感情に火をつけることは決して難しいことではないという答えを導くこともできるでしょうが、一方で、我が身を顧みない果敢で本能的な人間愛も、それでも確かに存在するのだという望みを得ることのできる映画でした。明るいレゲエのメロディにのせて、「アメリカが『アメリカ合衆国』、イギリスが『連合王国』になれるのなら、どうしてアフリカは『アフリカ合衆国』『アフリカ連合王国』になれないのだろう」と歌うエンディングテーマが胸に迫ります。
両者の温度差がすごくてクラクラ来ちゃいましたが、半年ぶりに映画を鑑賞できてリフレッシュできた一日でした≧ω≦
つづきを隠す…