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月下の一群――今月の詩集

2007年11月17日(土)16:12きとら[Books]

ああ! 秋が秋が夏を殺してしまつた(G. アポリネール「秋」)
主よ 秋です 夏は偉大でした(R. M. リルケ「秋の日」)

月下の一群―現代日本の翻訳 (講談社文芸文庫)
堀口 大学

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秋も深まってきたことだしと、ものすごくベタですが、詩を読んでみようかと思い立ちまして。
堀口大學の翻訳詩集『月下の一群』(講談社文芸文庫、1996年)。原書は1925年刊行、というから80年以上も前ですね~。
今なお愛読している上田敏の『海潮音』(1905年)と並び称されることも多いこの海外詩集、しかしながら今まで寡聞にして知りませんでした…不覚。この詞華集(アンソロジー)が有名なのは、もちろん採録されている詩が各々優れているからというのもあるのですが、むしろ堀口大學の天才的な名訳によるところが大きそうです。
殊にポール・フォール Paul Fortフランシス・ジャム Francis Jammesギィ・シャルル・クロGuy-Charles Cros らの叙情主義的な詩を繰り返し読んでます。本当はその素晴らしさをここで引用しながら説きたいんだけど(笑)、紙面と時間等々の都合で割愛っ。
それにしてもこの3名、日本版Googleに全然引っかからないこと。このまま埋もれさせるなんてもったいないなぁ(´・ω・`) 個人的にはジャムの「何故に我等の子等は英雄であるか」が、特に好き。泣けます。


戦後名詩選」の2冊は、その名のとおり 第二次世界大戦以後につくられた日本の詩を中心に集めた詞華集。
鮎川信夫宗左近といったいわゆる「戦後詩」の第一世代から、入沢康夫大岡信谷川俊太郎の活躍した50年代を経て、寺山修司というスターを生み…と書き続けているときりがないのですが、そういった戦後の詩壇を彩ったスターたちを網羅しております。
ただ、たしかに人口に膾炙した名詩ばかりではあるんだけど、どうも歴史化してしまったようなものも多く、「戦前」と「戦後」との明瞭かつ意図的な断絶とはまた違った、時代が<戦後>であった頃と現在とに横たわる、ゆるやかな断絶…といったものを感じさせられました。昭和は遠くなりにけり……。

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